猫の肥満細胞腫
猫の右肘周辺に発生した肥満細胞腫です。
猫の皮膚肥満細胞腫はがんの範疇に入りますが、一般的には良性の挙動を取る事が多く、外科的切除(手術)が最も効果的とされています。
ただし、中には悪性度の高いもの、転移を起こすものも含まれますので、治療法の決定の前に必ず進行度の評価をします。
この子は幸いにも転移は見つからなかったため、様々な治療方法から、手術を第1の治療法としてご提案し、ご承諾頂きました。
肥満細胞腫の手術では周りの正常組織を含めた切除(十分なマージンの確保)が大事になります。
この子に関しては、肘の周辺である事から、皮膚の余りが少ない点と関節部分でよく動かす場所である点(ひきつれやすい)に注意した手術となります。
違和感を残すひきつれを起こさない程度に最大の切除範囲である事と、
底部は必ず筋膜(筋肉を覆う硬い膜)まで切除する事に気をつけて手術を行いました。
手術後はひきつれを起こすこともなく、痛みのケアをしながら無事に抜糸することが出来ました。
病理検査は「皮膚肥満細胞腫 完全切除」と診断されました。
完全切除のため、補助療法は特に行わず、手術後半年経った現在も再発・転移はありません。
半日入院とは言え、住み慣れたお家から離れ、全身麻酔・手術をよくがんばってくれました。
手術後のTシャツ姿とてもキュートでした。
感謝です。